2025-12-25 2022.09.09

【挑戦してみよう】クラッチ操作を楽にする！ハーレー用スピードシフターキット取り付け講座

街乗りや通勤などの短距離走行ではあまり気にならなくても、ハーレーで長距離ツーリングに出かけると、クラッチ操作の多さによる手の疲れを感じたことはありませんか？

特に重めのクラッチを採用している車両では、信号待ちやワインディングで何度もクラッチを握ることで、疲労やストレスが蓄積しがちです。

そんな悩みを解消してくれるのが、クラッチ操作を最小限に抑え、スムーズな変速を可能にするPINGELから発売の「ELECTRIC EASY SHIFT スピードシフターキット」です。

ハーレーのカスタムパーツの中でも、「快適性を大きく向上させる実用系カスタム」として注目されていますが、取り付け方法が分かりにくいという声も多いパーツです。

そこで今回は、ハーレーショップ目線で、スピードシフターキットの取り付け手順と調整ポイントを詳しく解説します。

DIY派の方はもちろん、ショップ作業を検討している方にも参考になる内容です。

●ハーレーのシフトレバー関連のパーツご購入はこちらから>>ハーレーパーツ｜フットコントロール

今回使用するパーツはこちら

PINGEL(ピンゲル)　ELECTRIC EASY SHIFT スピードシフターキット

イグニッションシステムを電子的に停止させ、フットシフター、クラッチを使用する必要はなく、ボタンを押すだけで変速機をスムーズにシフトアップ、ダウンさせることができます。通常のクラッチ操作は維持され、ボタン操作でなくても普通に操作できます。

【作業前準備】安全第一で確実に行おう

★ハーレーのカスタム作業では、事前準備がトラブル防止の鍵です。

① 車体をジャッキアップして確実に固定

作業中に車両が動かないよう、安定した状態を確保します。

② バッテリーのマイナス端子、またはメインヒューズを外す

電装パーツを扱うため、感電やショート防止は必須です。

③ サービスカバーを装着

フューエルタンクやフロントフェンダーを傷から守り、純正外装を美しく保つための基本的な養生を行います。

1.スピードシフター本体の取り付け

①シフターアームの加工準備

シフターアームには穴あけ加工が必要なため、まずシフトリンケージ前側をシフターアームから取り外します。

②ロッドエンドの交換

シフトリンケージ前側のロッドエンドを外し、スピードシフターキット付属のロッドエンドへ交換します。

③シフターアームブラケットの装着

穴あけ加工済みのシフターアームに、シフトリンケージとシフターアームブラケットを取り付けます。

④エレクトリックシフトシリンダーの仮固定

エレクトリックシフトシリンダーサポートブラケットをプライマリーケースへ取り付け、そこにエレクトリックシフトシリンダー本体を装着します。

※この時点では完全固定せず、前後に動かせる状態にしておきます。

⑤シリンダー位置の調整・固定

エレクトリックシフトシリンダーの先端をシフターアームブラケットに固定します。

そして、エレクトリックシフトシリンダーを前後に動かしてエレクトリックシフトシリンダーのシフトロッドにあるマークが丁度シリンダーの縁に合うように調整してエレクトリックシフトシリンダーを固定します。

⑥ 動作チェックと微調整

シフトペグを操作し、エレクトリックシフトシリンダーがスムーズに作動するか確認します。

動きが渋い場合は、シフターアームブラケットとシフトロッドの間にワッシャーを追加して調整します。

※この調整が不十分だと、破損や故障の原因になります。違和感のないスムーズな動作になるまで、必ず確認してください。

2.スイッチ・コントロールモジュールの取り付け

①操作スイッチの装着と配線

付属のシフト操作スイッチを左ハンドグリップに取り付けます。

配線はタンク内側のフレームに沿わせ、シート下まで引き回し、付属の配線図を確認しながらコントロールモジュールへ接続します。

②点火信号の接続（重要）

イグニッションコイルのコネクターを外し、配線色を確認した上でエンジンキルモジュールからの配線を接続します。

※配線色を間違えるとモジュール破損の恐れがあるため、可能であればハーレー純正の配線図を事前に確認してください。

このユニットは、シフト時に一瞬だけ点火を中断し、クラッチレスでフルスロットルシフトを可能にする重要なパーツです。エンジン停止時間は90～160msの範囲で調整可能です。

③コントロールモジュールの設置

エレクトリックシフトシリンダーからの配線を接続し、高温になりにくい場所へコントロールモジュールを設置します。

3動作確認と最終調整

①エレクトリックシフト起動

ニュートラルを確認し、クラッチレバーを握ってエンジン始動。

そのままシフトチェンジ用ボタン（2つのうちどちらか）を5秒以上長押しすると電源が入ります。

クラッチを握った状態でスイッチを押し、ギアが入るか確認します。

② 試乗による確認

問題なく作動したら実走テストを行います。

・シフトアップ：エンジン回転数2,000～6,500rpm

・シフトダウン：エンジン回転数1,400～2,000rpm

回転数を一定に保ち、クラッチレバーを握らずにボタン操作で確認します。

③不具合がある場合の調整

シフトがスムーズでない場合は、エレクトリックシフトシリンダーの位置調整、またはエンジン停止時間の再設定を行ってください。

④安全性と快適性の両立

クラッチレバーを握れば通常のシフト操作も可能なため、万が一の際も安心。

長距離ツーリングではクラッチ操作回数が大幅に減り、手の疲労軽減に大きく貢献するおすすめのハーレーカスタムパーツです。

掲載写真では、カムカバーをはじめとするエンジン周り、トランスミッション周辺、そしてフロント・リアのブレーキキャリパー周辺に使用されているARPボルトをご確認いただけます。

ARP特有のシャープなヘッド形状と、精密さを感じさせる仕上げは、純正ボルトとは明らかに異なる存在感。ハーレーの無骨さを損なうことなく、メカニカルで引き締まった印象をプラスしてくれます。

機能パーツでありながら、確実に“見せるカスタム”として成立している点も、この車両の完成度の高さを物語っています。

ELECTRIC EASY SHIFT スピードシフターキット

1601048877903

273,780

【挑戦してみよう】クラッチ操作を楽にする！ ハーレー用スピードシフターキット取り付け講座