ハーレーにはディスクブレーキが適している理由|仕組み・カスタム性・メンテナンス性を徹底解説

ハーレーを安全に乗りこなす上で欠かせない要素...それは「思い通りに操作すること」「しっかり止まれること」

特にハーレーのような重量級の乗り物において、ブレーキというパーツはライディング全体の安心感と命を預けると言っても大げさではない超重要パーツです。

今回はそんなブレーキに関わる話。現在ハーレーに採用されているディスクブレーキや過去主流であったドラム式との違い、メンテナンスのポイントなどを専門店目線で解説します。

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ハーレーが採用するのはディスク式ブレーキ

ディスクブレーキ装備のハーレー

現在、クルーザーからスポーツモデルまで、モデルに限らずほとんどのハーレーにはディスクブレーキが標準装備されています。

ディスクブレーキが採用され始めたのは1970年代初頭。1972年頃から本格的に導入されたと言われています。

ドラム式とディスク式はどちらも摩擦力を利用して減速しますが、ハーレーダビットソン含め、現代のオートバイでは性能・扱いやすさ・耐熱性の面でディスク式が圧倒的に主流となっています。

ドラム式からディスク式へ

ドラム式ブレーキ
ディスク式ブレーキ

二つのブレーキ方式でよく語られるのが構造とコストの差。

ドラム式:構造がシンプルで低コスト

ディスク式:構造が外側に露出し、精度と耐熱性能が求められコストは高め

一見、移行する必要がないように思われますが。ドラム式特有のデメリットや時代の流れなど、ディスク式ブレーキが主流となっていったのには、下記の理由があったのです。

1. 車体性能の向上に、ドラムでは追いつけなくなった

1970年代に入るとハーレーは排気量・トルクともに大幅に向上しました。

しかし車体が重く、パワーもあるハーレーの場合、ドラムブレーキでは制動力が不足がちに。特に高速走行やタンデムでは 制動距離が長くなる という問題がありました。

2. 連続ブレーキで「フェード現象」が起きやすかった

ドラムブレーキは構造上、熱がこもりやすいのが弱点とされていました。下り坂や連続ブレーキ、荷物などの多積載量のツーリングの状況において、ブレーキが効かなくなるフェード現象が発生しやすいため、安全面の課題が残る結果に。

3. ディスクブレーキは熱に強く、安定した制動力を出せる

そんな熱への問題に対し、ディスクブレーキはむき出し構造のため、走行風で冷えやすく熱ダレを起こしにくいというメリットを持っていました。結果、初期制動に強く、高いコントロール性を維持。ヘビー級マシーンにも対応できるなど、ハーレーとの相性がバツグンの性能だったのです。

4.世界的な安全基準の変化

そして1970年代。欧米から「制動力向上」が求められるようになり、車両メーカーもそれに合わせディスクブレーキを採用する流れになっていきました。

ハーレーもこの動きに合わせ、1972年にフロントブレーキをディスク化。以降、各モデルへ順次標準搭載されるようになったということです。

ハーレーにディスク式が適している理由

SMTブレーキディスク

ディスクブレーキを採用するメリットは熱に強い以外にもあり、最大の魅力はなんと言ってもそのメンテナンスのしやすさではないでしょうか。

●外側に露出しているため状態確認が簡単

●部品点数が少なく交換作業がシンプル

●軽量でハーレーのカスタムと相性が良い

●ブレーキローターやキャリパーを交換するだけで外観カスタムが楽しめる

特にハーレーはカスタム文化が強いブランド。

ブレーキローターやキャリパーを見るだけでもオーナーの個性が現れ、性能だけでなく“魅せるパーツ”としても人気が高いのが特徴です。

ブレーキのメンテナンスは必須。交換タイミングは?

ハーレーのブレーキパッド

ディスクブレーキは“ブレーキローター”に“ブレーキパッド”を押しつけて摩擦を生み出す仕組み。そのためパッドは走れば必ず摩耗する、いわば消耗パーツのひとつ。

ブレーキパッドのチェックポイント

□ 摩材(パッド部分)の残量は目視で確認可能

□ 溝が2mm以下なら交換の目安

□ 減り方は走り方でも変わるため距離だけでは判断しない

ブレーキローターも摩耗するため、段付きや厚みを定期的にチェックする必要があります。

自分で交換できる?

ブレーキパッドやローターの交換は構造的には難しくなく、設備があればDIYも可能なメンテナンスパーツです。

ただし、安全に直結する作業のため、不安がある場合は無理をせずショップへ依頼することをおすすめします。

当店でもハーレーのブレーキ整備・カスタムパーツの取り付けを承っていますので、お気軽にご相談ください。

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